フリーター家を買うは再放送されてる？(関西・北海道)無料見逃し配信動画を1話〜最終回まで視聴する方法も！

武誠治(二宮和也)は三流の私立大学を卒業し、小さな部品会社に就職するも根性論をふりかざす社風についていけず、3か月で辞めてしまう。その後、何社か就職活動するものの3か月で辞めてしまったことや、誠治の覇気のなさが原因でなかなか決まらない。父・誠一(竹中直人)には自分に相談もなく辞めたことをなじられ、開業医と結婚している姉の亜矢子(井川遥)にもしっかりしろと叱られる日々。それでも母・寿美子(浅野温子)はそんな誠治をかばい見守ってくれる。それに甘えて、アルバイトを転々とする誠治。そんなある日、キッチンから変な音がして様子を見に行った誠治は寿美子の様子がおかしいことに気づく。「今日も死ねなくてごめんなさい」。そう繰り返す寿美子は重度のうつ病になっていたのだ。誠一から全部お前のせいだと言われた誠治は、再就職を目指して大悦貞夫(大友康平)が経営する大悦土木でアルバイトすることにする。

タイトルだけ見ると、フリーターが家を買うために懸命に働いて、ドタバタな明るい家族のコメディドラマかと思っていましたが、わりと暗くて重いテーマがあって、家族や仕事に成長していくドラマでした。主人公の母がうつ病になってしまい、無理解な父親と衝突したり、確執が生まれ、家族の関係もギクシャクした雰囲気が漂っていました。母のうつ病という難しい問題と向き合っていく主人公の姿に、うつ病の辛さや苦労を感じました。うつは人それぞれで、まわりの理解がないと克服できるものではないと思うので、サポートする家族のあり方にも考えさせられました。そんな母を支えながらフリーターとして働き就職の糸口を見つけ、家族の関係もいい方向へ進み、成長していく姿に勇気づけられました。

注目キャストは、主人公のフリーター役を演じた二宮和也さんです。最初は就職しても長続きせず、ふらふらとしてしまったり、ちょっと頼りないような青年でしたが、ドラマの後半では見違えるほど成長していて素晴らしいと思いました。最初、母がうつ病になってしまい、そこから自分自身を見つめ直し考え方や行動にも変化が現れます。うつ病の母に対しても父親はちゃんと理解しようとせず、家族の関係も重くギクシャクとした雰囲気になってしまいますが、二宮和也さんが母のことを真剣に向きあい支えながら、真面目に働く姿に、頑固だった父も少しずつ心を開いていくのが分かりました。とても家族思いで、仕事に対しても真摯に取り組む姿勢や家を買うという目標もあって、重い話から前向きになれる家族になっていて良かったです。

自分は普通にやってきたし、普通に就職して普通に結婚して、そんな普通の未来が待っていると思っている若者は多いと思います。自分だけが上手く行かないと感じている人も多いと思います。他の人が陰で努力していることなんて見えないし、自分以外の人間の苦悩なんて掘り下げて考えたり、聞いてみたりしないとわからないものだということをドラマを通して教えてくれていると感じました。「フリーター、家を買う。」という衝撃的な、叶うとも思えないタイトルを背負って、一人の青年の成長と家族の再生を描いてくれています。自分にとって大切なものと、大多数が叶えたいと思う理想の間に乖離があったとしても、自分や自分の周りの人が幸せならそれでいいじゃないかと気づかせてくれるドラマです。

主役の二宮和也さんは、そのまま本人が言いそうだなと思う言葉が多く、最初から二宮さんを主役に書かれた小説なんじゃないかと思うほどでした。それが、二宮さんの演技力なのか自然に演じられたように見えたのかは定かではありませんが、とてもしっくりきて、物語に入り込みやすかったです。
竹中直人さんは、最初嫌な父親だなと思っていましたが、不器用な父親役を見事に演じきった感じがします。
母親役の浅野温子さんには、ほとんどセリフがなく、難しい役どころでしたが、うつ病の勉強などもしっかりされて役に挑まれたのだろうなと感じました。家族の中心で、母親のために二宮さんが成長していくという存在であることを、視聴者に伝えられる演技をされていたと思います。

「フリーター、家を買う。」軽くポップで楽しいドラマなのかと思いきや、しっかりとした家族ドラマだったので大きなインパクトを受けました。
最初はどうしようもないダメ息子だった主人公が母親の病気や良い上司や同僚との出会いにより成長し、自分の稼いだお金でマイホームを立てる、というわかりやすいテーマは、当時社会人になったばかりの自分にとって良い刺激になりました。
社会の厳しさに会社を辞めたいと思っていた自分と、同じようにもがき苦しむ主人公と自分の姿を重ねていたのかもしれません。
いつまでも定職につかない息子に対して浴びせられる父親からの厳しい叱咤激励は、自分に向けられているようで身につまされる思いでしたね。
１話見終わった瞬間、次のストーリーの続きが気になる良作だったと思います。

竹中直人さんが演じていた父親が好きでした。
めちゃめちゃいかつくて愛想も悪く、怖いオヤジと言う印象満載だったのですが、息子に反論されるとたじたじになってしまい、最初は激怒するものの言いくるめられて何も言えなくなってしまう姿が非常に魅力的でした。
家族の言うことなど一切耳を貸さず自分が1番で俺様タイプなのに、心の底ではちゃんと家族のことを考えている頑固オヤジはハマり役でしたね。
竹中直人さんは色々な役ができますが、初めてみた出演作品がお茶目な役だったので「俳優さんは作品によってこんなに演じ分けることができるのか」と衝撃を受けました。
お茶目な役の方が珍しいことは後からわかりましたが、初めて見たときのインパクトが大きすぎて「竹中直人さん＝お茶目」になってしまいました。