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舞台は、東京らしき大都会。時は、2015年4月1日エイプリルフール。1年に一度だけ嘘をついていい日。
その日、街は嘘があふれ、笑いが絶えない……はずだった。なにげなくついた嘘がウソを呼び、あちらこちらで大騒動が勃発！街は緊張と混乱に包み込まれる。果たして、嘘の中に隠されていた真実、そしてその先にあるものとは…!?2015年エイプリルフール、映画界に新たな傑作が誕生します!!（これは、本当です。）

引用：映画エイプリルフールズ公式サイト

エイプリルフールズは、〝エイプリルフール〟唯一嘘をつくことが許される日を舞台にした映画である。なんとなく想像するだけでワクワクするテーマである。エイプリルフールでそれぞれの嘘が巻き起こす、てんやわんやなストーリーで、ずっと飽きずに鑑賞することができた。

エイプリルフールをテーマにしているから、コメディ強めなのかと観ていると、時には涙してしまう時もあった。特に、老夫婦のお話。ずっと連れ添った妻に、病気が見つかりもう手の施しようのない状態になってしまった。夫は、快気祝いだと嘘をつき、リムジンを運転手付きでレンタルしたり、札束で洋服を買ったり。周りは勘違いして大混乱なのだが、その2人のラストがかなり感動的だった。「私は幸せでした」だなんて、憧れる台詞だ。私もそんな人生を歩みたいし、夫にこんな台詞が言えるような女性でありたいと、この夫婦が美し過ぎてジーンときた。他にも引きこもりにあっていた少年のストーリーや、ゲイのお話などユニークなストーリー満載である。

そしてこのエイプリルフールズの主となる戸田恵梨香さんと松坂桃李さんのストーリーである。コミュ障の女性が、医者だと嘘をつきまくり女性を口説き落とすクズ男に復讐のため銃を乱射？！とかなり驚きの展開なのだが、こちらもドンデン返しを繰り返し、観てるものを楽しませてくれる。個人的に好きなストーリーである、寺島進さんのヤクザと娘のストーリーとも結びついていて、ラストまでしっかりまとまっている映画であった。

豪華キャストの映画なので、注目したい俳優さんだらけである。まずは戸田恵梨香さん。戸田さんの演技には毎回脱帽するのだが、この方は本当に真顔でも美しいの一言である。スペックの時もほとんど真顔だったのだが、画面が華やかであった。今回も、コミュニケーションがうまくとれない女性を演じているのだが、その仕草や喋り方などの演技がさすが、であった。

そしてセックス依存症の疑いありのクズ男を演じるのは、松坂桃李さん。松坂さんはデビュー当時、爽やかな役ばかりだったイメージだが、久しぶりに松坂さんを観るとうまくイメージ転身し、このようなクズ男な役も様になっていて本当に見ていて張り倒したくなるくらいの実力俳優になっていた。

あとは、寺島進さんが作品に出ていると毎回何故だかテンションが上がるのだが、今回も寺島進さんの演技はピカイチだった。この役にすごくマッチしており、少しおバカな熱いヤクザ役がピッタリであった。その娘役を演じた、まだあどけなさの残る浜辺さんもとにかく可愛かった。このストーリーのラストも寺島さんに泣かされた。

オムニバス形式の映画で最初はどんな展開になるのか先が読めなかったが、段々と繋がっており最終的には「こうきたか！」とシナリオの作りの良さに唸らされた。理屈抜きで群像劇として見るととても楽しめる。キャストも豪華俳優陣で、中でも松坂桃李は文句なしに演技が上手い。俳優陣の演技力を見るだけでも一見の価値あり。

ストーリー自体には賛否両論あった作品のようですが、個人的には最後にほっこり出来て満足出来た作品でした。タイトルからしてエイプリルフールズなので。「これはリアルじゃない」とか「現実味に欠ける」とか言っても結局はエイプリルフールズなんですよね。何も考えずに楽しむことが出来る映画なので、息抜きにちょうど良いです。豪華なキャストの中でも寺島進さんと戸田恵梨香さんの演技は天下一品。悪役をやらせると寺島進さんの右に出るものはいないのではないでしょうか。

オムニバス形式で嘘をテーマにしたストーリーだけど、それぞれの話に多少バラツキや出来上がり方に差があるものの、頭を空にしてただ楽しむとスッと入ってくる映画作品。印象的なシーンは、松坂桃李と戸田恵梨香の乱射事件とあとは寺島進の誘拐事件。まさかその誘拐された子が今ノリに乗っている浜辺美波だったとは公開当時は全く気付かず。女優さんはどんどん変化していくのだなぁと感じた。