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バイトに明け暮れる冴えない生活にうんざりしていた劔(松坂桃李)。バンド活動を始めてみるも上手くいかず鬱屈した日々を送っていた。そんな劔を心配した友人から手渡されたDVDに映っていたのは松浦亜弥の「♡桃色片想い♡」。歌って踊る松浦亜弥の姿に釘付けになった劔は、いつの間にか涙を流していた。居ても立っても居られずCDショップへとやってきた劔の前には店内で一際目立つハロー！プロジェクトコーナーが。劔が物色していると店員にイベント告知のチラシを渡される。イベントに参加した劔は、そこでハロプロを愛してやまないコズミン・ロビ・西野・イトウ・ナカウチと出会う。打ち上げに参加することになった劔は、彼らとハロプロについて語り合い、彼らが所属する「ハロプロあべの支部」の仲間になる。「恋愛研究会。」というバンドまで組み、ハロプロにすべてをささげ、遅れてきた青春を目一杯楽しむ劔。いつまでもこんな日々が続いていくように思っていたが、メンバーそれぞれに次第にハロプロと同じくらい大切なものができ始め…。

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人生の負け組、どん底の日々を送っている主人公の劔に共感できる部分が多々ありました。お金なし、恋人もおらず受験にも失敗…、絵に描いたような負け組人生です。そんな彼がオタク仲間たちと出会い、アイドルにはまっていきます。それにしても、このオタク仲間たちの個性豊かなこと！
それまでは楽しいことなんてこの世の中には何一つないと思っていた劔が、アイドルオタクという生きる楽しみを見つけられて本当に良かったと思います。私はアイドルには興味はありませんが、彼らにとってのアイドルのような存在を、私も見つけられたら…と思います。
そしてひとりで楽しむよりも、分かち合える仲間がいるからこそ、楽しみも喜びも何倍にも感じられるのでしょう。
いつか離れていくかもしれないし、関係だって変わるかもしれません。それでも仲間っていいな、そう思える映画でした。

私が今注目しているのは、主演の松坂桃李さんです。彼はシリアスな社会派ドラマでも話題になりましたが、今回の作品はまた一味違った魅力を見せてくれました。
何も手に入れられない負け組の象徴のような劔を演じていますが、松坂桃李さんが演じるダメ男はとてもリアルでした。これぞ演技上手でなければ出来ないと思います。
芸能界では裏方のスタッフを含め、とても人気のある俳優です。彼を悪くいう人はいないのだとか…。イケメンで演技が上手いだけではなく、人柄も良いだなんてパーフェクトです。
女兄弟の中で育ったそうで、見た目からは想像がつきませんが、サバサバした性格なんだとか。そんなギャップにも好感がもてます。
初めは顔立ちが私の好みではなかったのですが、演技を観れば観るほどに味わい深くなっていく俳優です。

この映画を見ていて一番に感じたことは懐かしいということでした。舞台は2004年なんですがその頃、ハロープロジェクトのアイドルたちが全盛期を迎えており主役である劔樹人が松浦亜弥にハマると言った内容です。この場面を見てすごく自分と重ね合わせてしまいました。自分もあややのことが大好きでCDを何作も買って良く聞いていました。この映画の中でもその歌声が聴けるなんて思ってもいなくてかなりテンションが上がりました。ソロアイドルとしてあややは最後の砦だったのかなと今となっては感じています。現代ではソロのアイドルはいなくなってしまいましたから尚のことこの映画を見で童心に帰ることができて嬉しかったです。あややは永遠のアイドルだと確信しました。

主人公の松坂桃李さん演じる劔樹人に注目です。彼が友達から松浦亜弥の映像を見た時の感じが本当に自分とダブりました。あんな感じですごくときめくんですよね。あややの魅力は何なのかとこの場面を見て少し考えてしまいましたが、やっぱり歌唱力が高いところだと感じました。松坂さんの演技が演技とは思えないくらいハマっていて、実はファンなんじゃないかと思わせるほどのハマりっぷりで可笑しかったです。彼は昔から演技派だと思っていましたが、この映画を見て確信に変わりました。すごい表現力を隠し持っていたなという感じで見ていて圧倒されてしまいましたね。それからやはり松浦亜弥さんを演じた山﨑夢羽さんがこの映画では欠かせない存在です。本当にそっくりで彼女が映ることでこの映画が面白いものになっていると実感します。

まず、「あの頃。」というタイトル通り、主人公が松浦亜弥の全盛期を推していた時代の映画であり懐かしい気持ちで最後まで見ました。松浦亜弥だけでなくモーニング娘、藤本美貴などさまざまなハロプロ界隈のオタクが輝いていたあの頃を面白おかしく過ごしていくだけの映画かと思いきや、昔のオタク仲間が不治の病に犯されているという展開。もちろん悲しいシーンはありましたが、ハロプロ愛が仲間を繋いで、「あの頃が一番楽しかった」ではなく「あの頃も、今も、夢中になれるものがあって仲間がいて、今も尚自分は輝いてる」と勇気を貰えるような映画になっています。無我夢中で人生を謳歌している主人公とその仲間たちが、今の自分とリンクしているような気もしてつい感情移入してしまいました。

注目キャストは、松浦亜弥役で出演したハロー!プロジェクトの末っ子グループ「BEYOOOOONDS」の山﨑夢羽さんです。私は今のハロー!プロジェクトを追っかけているので、山﨑夢羽さんが出ているから見たと言っても過言ではありません。かなり短いシーンだったのですが、もともと山﨑夢羽さんはハロプロ研修生の頃から松浦亜弥に似ていると言われており、圧倒的な歌唱力とオーラがある人物なので今回松浦亜弥役で出演すると聞いて、松浦亜弥役は山﨑夢羽さんしかいない。と思うほど適任だったと思います。本当に短いシーンだったのですが、かなり松浦亜弥に似ていて、私は当時の松浦亜弥も好きだったので「あの頃。」が蘇るような感覚に陥りました。原作の剱さんは今のハロー!プロジェクトも推しているので、まさにハロプロオタクが選ぶ松浦亜弥という感じがしてワクワクしながら見ることができました。

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